研究の概要
第四工場3Fは商品展示室という場所となっていますが、新商品が全て並んでおらず、廃止商品であったり旧仕様のものが展示室にあるなど、お客様に商品をご覧いただける状態になっていません。
また管理するルールもなく、自由に試作を建てるなど固定資産の管理も曖昧な状態となっています。
使用状況としては、展示スペースのそれぞれの場所に予約ボードを設置し、打合せスペースとして使用されています。それは、第4工場の人員増やオンライン会議等の普及により、打合せやオンライン会議のできるスペースが不足している事からその様な状況となっており、第4工場で働く方のワークスペースに課題があると考えました。
本社敷地全体の中で第4工場がどの様な場所である事が良いか、メンバーで話していたところ、第4工場には開発部門をはじめ設計など技術部門が集まっている事から、コマニーのR&Dセンターの様な場所にし、技術を持ち寄り紡ぐ場にしたいと考えました。
研究の進め方
- 1.
- 第4工場の働き方を観察
- 2.
- 第4工場の課題の抽出
- 3.
- 間づくりコンセプト
- 4.
- 必要要素の抽出
- 5.
- プランの作成
- 6.
- 第4工場のリノベーション
- 7.
- ルールづくり
目標
アジャイルなものづくりの拠点
研究結果
間づくりで研究開発部門に良い影響をもたらした
- 試作スペースが身近になった事で試作を前にした討議が増え、積極的に試作を行うようになった。働く場所が選択できるようになり、伸び伸び働けるようになった(会話や笑顔が増えた)。
- オープン後も気付いたら即改善を加え、進歩発展し続けている。個々の改善を楽しんでいる。研究開発部門ならではのひと手間の掛け方が行動として出てきている。
- 試作場所を予約制にした事で試作の建て込みを計画的に実施しようとする動きが強まった。今後、開発計画にも良い影響が期待できる。
間づくり研究で分かったこと
研究開発の業務の心臓部とも言える「試作に対する取り組み姿勢」や「試作に対する関心度合い」が大きく変化してきている。物理的にオフィスの中央に試作の場を置いた事がこれらの影響を出している。日々単位で目に触れる環境がそこで働く人に対する影響を強く起こすのだと感じた。
昨日とは違う試作の様子に気付いて担当者と話をしたり、試作している最中に声をかけて議論したりと明らかに以前にはなかったコミュニケーションが生まれている。環境を変えてコミュニケーションを変化させる事でこれまでの人と人との関係性を変える事が出来ている。
また人とモノに対する関係性についても「試作が常に見られている」という事から乱雑な扱いなどをせずに丁寧になっており、これらは安全にも繋がっていくと思われる。
試作、人、コミュニケーションの三つの関係性を環境を変える事で間づくる事が出来ると実感が出来た。
今後の展開
様々な実験・検証と共に永遠に完成しないCOMICという位置づけを定着させ、常に前進していく姿勢を、その環境からも感じられるようにしていく。挑戦したい意志は基本的に必ず実現していけるように皆で協議して決めていく。我々がCOMICを使い倒す。