間づくり研究所

「間」とは何か?

二つ以上の要素が生成する関係性

「間」とは日本がもつ伝統文化です。

建築の世界では、日本建築は西洋建築とは異なり、廊下に各部屋に入る扉が並ぶのではなく、「一の間」「二の間」「奥の間」と間でつないでいきます。そして、その間を襖で仕切り、お互いの間合いを調整します。

芸能の世界でも「間は魔物」と言われ、変なところで間をとると、「間が合わない」「間が悪い」、間をあけすぎると「間延びした」「間が持たない」、一方で間を詰めると「間がない」「間を欠いた」ということになってしまいます。実は「間」によって演技全体が出来上がるといっても過言ではありません。演者と観客との関係性から生まれる「間」によってその良し悪しが形成されていると言ってもよいかもしれません。

「間」というたった一言でありながら、このことばは「時刻、間隔」などの時間や「部屋、余地」などの空間、さらには「休み、余暇」や「機会、運」まで、実に多様で幅広い意味をもちます。

これらを踏まえ、間づくり研究所では「間」とは「二つ以上の要素が生成する関係性」であると定義しています。