研究の概要
製造部門に所属する300名全員で行った工場や自分たちの働き方などに対する観察から出てきたキーワードのひとつが「人に優しい環境」でした。コミュニケーションの課題、上下関係における課題、頑張りがみえにくいこと、負荷が大きいこと、学びの機会が少ないこと、すべての課題に「人に優しい環境」がレバレッジになっていると考えました。
「昭和の工場から令和の工場へ」をスローガンに、様々な精神的、身体的要因に対して環境を整えていく活動を行いました。
昭和の工場の作業環境には照度、騒音、寒暖、重筋作業などの課題があり、今回は騒音と重筋作業に対して、現状の観察からスタートする間づくり思考を使った研究を行いました。
研究の進め方
重筋作業
- 運搬作業の観察
- 各作業場の観察
- 重筋作業の体験
- 運搬に関するツールの調査
- ツールの試験利用
騒音
- 騒音調査を実施し、騒音が最大の区域を特定
- 騒音を発生させる機械の発生源を調査
- 騒音低減目標設定
- 対策案のアジャイル実施
目標
昭和の工場から令和の工場へ
研究結果
重筋作業
ツールの本格導入には至らなかった
騒音
空き缶や端材を使ってお金をかけずに、騒音最大区域の騒音を最大24.8%低減することに成功した。
今回の間づくり研究でわかったこと
重筋作業
・知らないメンバーと活動を進め、交流を深めることで色々な職場の問題点や様々な考え方を知ることが出来ました。
・自分たちの活動は体験することに重点を置いたので今まで経験したことのない体験ができ知識が広がりました。
・普段気にせず作業していたが実際に数値化することでどのくらいの重さなのかを知れることができました。
・様々な部署にヒアリングを行ったがそれぞれの部署で解決するべき根本的な問題は似ていると感じました。
騒音
・自分たちで職場環境を良くしたいと思っていた職場の違う5人がおのおのの知識を出し合い活動を進められたことで、知恵の掛け算ができることを実感した。
・騒音区域で働くメンバーから、作業中の会話も聞きやすくなったと言ってもらえたことがうれしかった。
今後の展開
今回創り出した機械の騒音が低減するノウハウを活かして、設備の一部として取り付けられるものを作成できないか、業者との制作を今後進めていく。