間づくり研究所

2025.06.25

空間と手帳が織りなす新たな発見!
「時間〈とき〉ラボ社会科見学 Presented by 間づくり研究所」イベントレポート

5月17日(土)、私たち間づくり研究所は、日本能率協会マネジメントセンターの「時間〈とき〉ラボ」と共同で「時間〈とき〉ラボ社会科見学 Presented by 間づくり研究所」を開催しました。当日は時間〈とき〉ラボメンバーの皆様がコマニー東京オフィスに訪れてイベント体験をしていただきました。

間づくり研究所の母体となるコマニー東京オフィス内で開催しました

「間づくり」と「時間デザイン」の融合

今回のイベントは、私たち間づくり研究所が探求する「間づくり」と、日本能率協会マネジメントセンターが提唱する「時間〈とき〉デザイン(ときデザイン)」という、それぞれの分野の追求がどのように交わり、新たな価値を生み出すかを探る実験的な試みでした。

コマニーは長年パーティション(間仕切り)で空間を創造してきました。私たちは、単に物理的な区切りを提供するだけでなく、その空間と人との間に生まれる「関係性」こそが重要だと考えています。これが、私たち独自の「間づくり」というコンセプトです。人間を中心に「時間」「空間」「手間」を組み合わせることで、「すぐれた間」を生成し、一人ひとりが輝ける社会に貢献することを目指しています。2020年には全従業員が研究員となる「間づくり研究所」を設立し、日々研究と実践を重ねています。

一方、日本能率協会マネジメントセンターは、1949年に日本で初めて「時間目盛り付き」の手帳である能率手帳を開発し、以来、時間管理の重要性を広く発信してきました。
現代では、多様化する働き方やライフスタイルの変化に対応し、時間を「成長や幸福のための資源」と捉えています。時間を単に管理するもの(タイムマネジメント)として捉えるのではなく、自分らしい生き方を実現するために時間をどう使うかという「タイムデザイン」という新しい考え方へと発想を広げ、「時間〈とき〉デザイン」という言葉で提唱しています。

この二つの考え方が交わることで、参加者の皆さんは、空間が時間や行動に与える影響について深く考察する貴重な機会を得ることができました。

ときラボメンバー同士の自己紹介タイム

ショールーム体験:五感で「間」を体感する手帳時間

まずはコマニー東京オフィスにあるショールーム内の各空間の説明から入りました。

イベントの目玉は、当社のショールームでの空間で手帳時間を過ごす体験でした。参加者の皆さんには、集中、リラックス、コミュニケーションなど、コンセプトの異なる10空間の中から選ばれた5つの空間を巡っていただきました。

コンセプトの異なる10の空間

各空間では、皆さんが持参した手帳を使い、その空間で感じたことや発見を記録する「手帳時間」を楽しみました。約15分という限られた時間ながら、空間のデザイン、照明、香り、音、家具の座り心地など、五感をフル活用して「間」を体感し、思考を深める様子が印象的でした。

休憩スペースでは、弊社の本社がある石川県小松市にちなんだ金沢の紅茶やお菓子を用意し、皆さんにはリラックスした時間を提供しました。

シェアタイム:参加者との共創が「間づくり」を深める

空間体験の後は、グループに分かれてのシェアタイムを設けました。私たち間づくり研究所のメンバーも加わり、ときラボメンバーの皆さんそれぞれの体験から得られた気づきや考察を共有する、非常に有意義な時間となりました。

皆さんの感想として、「音や香り、照明の組み合わせで空間の印象が大きく変わることが実感できた」「一人で集中できる空間と、複数人でコミュニケーションしやすい空間の違いが明確だった」「手帳に書き出すことで、普段意識しないような空間の要素に気づけた」といった具体的な意見が多数寄せられました。

特に、多くの方が「心地よさ」の要因として、単に視覚的な要素だけでなく、音、香り、光の色合い、家具の質感、そしてそこでの人との関係性といった多角的な要素を挙げたことは、私たち「間づくり」の研究において非常に有益な示唆となりました。「薄暗い方が集中できた」「かすかな音楽が安心感を与えた」といった、パーソナルな感覚に基づいた意見もあり、多様な「間」の捉え方を改めて認識する機会となりました。

間づくり研究員から手軽にできる間づくり例を参考にお伝えさせていただきました

終わりに:未来の「間づくり」に向けて

本イベントを通じて、私たちは、一般の皆さんから「間づくり」について率直な意見や、業界の固定観念にとらわれない新鮮な感想を直接聞くことができ、大きな学びと喜びを感じています。

現代はデジタル化が進み、時間を効率的に短縮する傾向にありますが、手帳をお使いの皆さんのように、時間を大切にする方々との出会いは、私たちにとって非常に刺激的でした。効率化によって「生み出された時間」をいかに豊かに過ごすか、この問いは「間づくり」においても重要なテーマです。今回の体験が、皆さんにとって自身の時間をより深く考えるきっかけとなれば幸いです。